群馬県にある建築デザイン会社 株式会社 arc-d の作品の中で、一番気になった家の造形がこれです。そして気になってやまないのはやはり、日本では珍しく家の中のほぼ半分がスケルトン状態だからでしょうか。例え面しているのがお庭だとして、例えその庭は高いフェンスで囲むとして、かなりの露出状態です。

    勿論ガラスの内側はカーテンやブラインドを使う事が出来るでしょう、自宅ですっごくリラックスした格好でうろつくのに、勇気が必要ですね、隣の家が間近な都会では絶対に建てられませんが、だから余計に日当たりが良くて開放的で、魅力が一杯です。


    サニータリーも浴室も暖かそうで、地方の優位性から来るゆとりの広さ、かなり羨ましいです。春から秋は快適に過ごせそうですが、冬は浴室にエアコンを入れないと、実際の生活はちょっと厳しい気がしますが、昼は日差しで温かいでしょうが、日が落ちるとガラスだけでは一気に冷え込みそうです。


    奥には小上がりの畳スペースがあり、キッチンダイニングとの間に仕切られた収納スペースがありますね、2階には寝室らしき部屋があり、多分プライバシーエリアでしょう。全体的に、兎に角オープンですよね、解放感たっぷりです。逆に言えば、ガラス面に近づいた人には、ほぼ室内丸見え状態です。


    ガスコンロとシンクを嵌めたテーブルはやけに大きいので、ダイニングテーブルを兼ねているのでしょう。そして仕切られた収納スペースにはちょっとしたテーブル椅子があり、ワークスペースとして利用し易いようにできているのが、いいと思います。


    階段は床の木材と同じ色で揃い、階段ホールは大きな吹き抜けになっています。さきほどの繰返しとなってしまいますが、解放感が半端ないです。


    1階の奥行きを考えれば、2階はもっと部屋ができる筈ですが、写真から見える部分ではわかりませんね。


    ここは位置的に浴室の上になっているデッキです。ガラス戸を全部締めてもこの部分は外と繋がっています。この方向の先には大きな田んぼが広がっているとすれば、秋には絶景を楽しめる事になります。きっとデザインの段階で計算されていた事でしょう。


    全部が素敵なデザインで、きっと楽しく暮らせる家でしょうが、都会の下町に住み慣れはた私はどうしてもガラス1枚挟むだけのセキュリティが心配でなりません。アメリカ住宅のバックグラウンドに面しているなら、納得できるデザインですよね~大きながっちりしたフェンスを建てて欲しいです。

    どうしてこのデザインがそんなに目が離せないほど気いなるかを考えました。それはきっと、ミニスカートを履いている好きな女の子の後ろで歩く、思春期の男の子の心境ですかね、薄いベールを被せている先には、好奇心をくすぐる神秘な世界があるような、一種の背徳感を伴う感覚です。

    住みたくは無いのに、なんとなくおしゃれに思える家でした。